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sax player、sound producer 中村智由のブログ
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ブログでアルバムのレビューを書き始めて、
周りで読んでいる人達からの反響も結構あるので、ネタが続く限り紹介していきたいなと思っています。

今日も何か紹介アルバムはないかと家のCDをあさっていたら、ポールウィンターのCDを見つけて聴きたくなって、聴いています。

ポールウィンターは、サックス奏者で、もともとジャズプレーヤーですが、ブラジル音楽に傾倒し、現在は、ニューエイジミュージックをやっています。

彼の名前を初めて知ったのは、CMでサックスで鯨と対話するシーンを見たのが最初です。
現在やっているニューエイジミュージックというのは、地球規模のスケールが大きな音楽で、
僕には、ちょっと難しすぎます。

僕のお薦めは、60年代半ばにブラジルのミュージシャンとコラボレーションした「rio」と「the sound of ipanema」です。
「rio」は、ワンホーンカルテットのインストアルバム、「the sound of ipanema」は、同じカルテットにカルロスリラのボーカルとギターをフューチャーしたアルバムです。
どちらもジャズとボサノバの融合した素晴らしいアルバムです。

ジャケットは、「rio」の海辺に水着姿の女性が横たわっているジャケットの方が印象的ですが、
今日は、カルロスリラのフューチャーされている「sound of ipanema」の方を紹介します。

ボサノバを聴いていると歌詞の中に「saudade」という言葉が入っています。
このアルバムの中でもよく使われています。
日本語で訳すと「郷愁」と訳される様ですが、
ボサノバに詳しいnativeのベースの大久保さんによると、
単純にノスタルジーという意味だけではないそうで、直訳できないみたいです。

このアルバムの音楽を聴いていると「saudade」というニュアンスがなんとなくですが、伝わってきます。
カルロスリラの歌声は、甘くロマンチック、
サポートするセルジオメンデスはじめバックミュージシャン達の演奏は、とても繊細で
みんなが同じ世界観を持っているのが、よくわかります。

このアルバムのポールウィンターのサックスは、ポールデスモンドにも通じる優しい音色ですが、デスモンドに比べると芯は強い感じがします。

60年代前半に録音されたポールウィンターの「new jazz on campus」というストレートなジャズを演奏しているアルバムも持っているのですが、
同じ人とは思えない程にアグレッシブなプレーをしていて、それを聴いて芯の強さが納得できました。

感受性が豊かだと、たくさん影響を受けて変化していくんだと思います。

人に歴史ありですね。


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